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マウス HR−1
  HRM-2
  NSY-Ay
ラット ZFDM
  OLETF & LETO
その他 ラボスキン
  販売終了
OLETF & LETO   2型糖尿病モデルラット
 
 
HR1

 OLETF(Otsuka Long-Evans Tokushima Fatty)ラットとそのコントロールであるLETO(Long-Evans Tokushima Otsuka)ラットは1982年Charles River Canada社から購入したLong-Evans系ラットから選抜育成により確立されました(写真1)。OLETFラットは肥満を伴う糖尿病と糖尿病性合併特に腎症を発症するモデル動物です[1]。(株)星野試験動物飼育所は大塚製薬株式会社より世界で唯一のOLETFラット生産機関として許可を受け、日本SLC(株)及び代理店を通してアカデミック(大学・非営利団体)限定で販売をしておりましたが、2017年1月1日より一般での販売を開始しました。

 
  OLETFラットの糖尿病と糖尿病性腎症の病態  臨床経過;OLETFラットは過食により、体重が顕著に増加し、肥満を呈し、雄では生後20週齢頃より、OGTT(経口ブドウ糖負荷試験)により糖尿病と診断される個体が見られます。生後40週齢頃より尿糖がみられた個体では体重は徐々に減少します。  
  OGTT  生後25週齢で雄はほとんどの個体で糖尿病と診断され、さらに加齢に伴って血糖値は上昇します。一方、インスリン値は生後25週齢では高インスリン血症となり、その後加齢に伴って上昇しますが、生後60週齢以降糖尿病が重度になる個体では、LETOラットより、低くなります。このようにOLETFラットの糖尿病病態は高血糖が長期間持続して、高インスリン血症から低インスリン血症になる特徴を有しています。  
  血液検査  LETOラットに比較して非絶食時の血糖値は生後18週齢、血漿トリグリセライド(TG)値は生後6週齢、血漿コレステロール値は生後21週齢から有意に上昇します。特にTG値は顕著に増加し、生後40週齢でLETOラットに比べて5倍になります。  
  MR(Magnetic Resonance Imaging)
画像
 MRIを用いてOLETFラットの腹部の脂肪分布を調べましたところ、LETOラットに比べて全腹部脂肪と腹腔内脂肪が著しく蓄積し、皮下が軽度であったことから、OLETFラットは内臓脂肪蓄積型の糖尿病と言えます。  
  Cholecystokinin
(CCK-A)受容体欠損
 CCKは消化管ホルモンとして、また神経伝達物質として生体内に広く分布し、多彩な生物活性を持ち、CCKにはCCK-AとB受容体があることが知られています。OLETFラットではこのCCK-A受容体がプロモーター領域より、エクソン2までの約6.8 kbにわたって欠失変異があることが報告されています[2]。このCCK-A受容体の構造異常は我々の成績で糖尿病発症と直接的な原因ではないけれども、過食、肥満や糖尿病を促進していると考えています。  
  糖尿病性腎症  生後30週齢頃から尿蛋白量がLETOラットに比べて増加し、腎の病理組織学的な異常は糖尿病が発症し始めます生後23週齢頃からみられ、ヒトの糖尿病性 腎症にみられる腎糸球体のfibrin-capを伴う滲出性病変が生後40週齢ごろより見られます。これらの病変は週齢を増すに従い顕著になり、生後60週齢を越えるころになりますと腎糸球体は萎縮・硬化し、尿細管も萎縮し、間質には繊維化がみられ、いわゆる終末腎の様相を呈するようになります。また、これらの病変は食餌制限することにより軽減しましたことにより、糖尿病によって引き起こされていることが明らかにされています[3]。その他OLETFラットの糖尿病性合併症として、糖尿病性神経症、糖尿病性網膜症、動脈硬化症などが報告されています。  
  飼育時の注意事項  OLETFラットはアンモニア臭や騒音などの存在する環境下では糖尿病は発症しにくく、発症した個体においても摂餌量が少なくなったり、摂食を拒絶したりすることがあり、結果として一時的に糖尿病状態が改善したり、あるいは死亡したりする場合があります。また、輸送に際しても、そのストレスによって摂餌量 の減少がみられ、場合によって死亡する場合があります。しかし生後4-6週齢での輸送では何ら影響を受けないことは確認しております。このように OLETFラットは劣悪な環境や急激な環境の急変あるいは輸送などのストレスに対して非常に敏感ですので、取り扱いには十分な御配慮をお願いします。  
  参考文献 [1] Kawano, K. et al. Spontaneous long-term hyperglycemic rat with diabetic complications. Otsuka Long-Evans Tokushima Fatty (OLETF) strain. Diabetes 41, 1422–8 (1992).
[2] Funakoshi, A. et al. Little or no expression of the cholecystokinin-A receptor gene in the pancreas of diabetic rats (Otsuka Long-Evans Tokushima Fatty = OLETF rats). Biochem. Biophys. Res. Commun. 199, 482–8 (1994).
[3] Kawano, K., Mori, S., Hirashima, T., Man, Z. W. & Natori, T. Examination of the pathogenesis of diabetic nephropathy in OLETF rats. J. Vet. Med. Sci. 61, 1219–28 (1999).
 
  販売性別  
  権利 大塚製薬株式会社  
  使用条件 ①同系統及び他系統への繁殖に使用することを禁止します。
②他機関への分与することを禁止します。
 
  FAQ

Q. Hos:ZFDM-LeprfaラットとOLETFラットのどちらを使えばいいですか?

A. OLETFラットと比較するとHos:ZFDM-Leprfaラットは血糖値が大きく上昇します。実験や糖尿病を判定するに随時血糖や空腹時血糖を使用する場合には、Hos:ZFDM-Leprfaラットを使用してください。OLETFラットでは糖尿病を判定する際には経口ブドウ糖負荷試験が必須で、随時血糖や空腹時血糖だけを使用する実験にはあまり適してしません。

Q. 2型糖尿病モデルラットの糖尿病の診断基準について教えてください?

A. ヒトのような明確な糖尿病の診断基準は存在せず、研究施設によって診断基準が異なります。また、OLETFラットのように随時血糖や空腹時血糖ではなくブドウ糖負荷試験で糖尿病を判定する場合もあります。診断基準の詳細は「実験動物における糖尿病の診断基準について」に記述されています。

 

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